冬期間のカビへの配慮~防湿剤の効果とその必要性について
冬は乾燥している?と思いきや、私の部屋は意外と湿度が高い。

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しかし、大切なカメラやレンズたちは、簡易防湿庫で守られています(^^)v

…と思ったら…

庫内も外気とほとんど変わらない湿度!?(゚Д゚;)

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吸湿剤の交換時期を逸した??

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…確かにゲル化は進んでいますが、完全なゼリー状になるまでには至っておらず、1/4ほどは粒が残っています。
溶けかけている部分も、指で押すとまだ粒状感が残っているような状態です。

開封後1年を経過していないので、変質もしていないと思いますが…。

うーん、何となく冬場の低温が影響しているような気がします。

詳しい原因を探るべく、吸湿剤(乾燥剤)について少し調べてみました。




乾燥剤として一般的に使われているのはシリカゲルや塩化カルシウム、生石灰(酸化カルシウム:CaO)などです。

代表的な2種の成分について、特徴を比較してみました。

<シリカゲル>
・吸湿量が限界に達しても、加熱等により乾燥させれば再利用できる
・吸湿速度は塩化カルシウムより遅い
・周囲が乾燥すると逆に水分を放出する
・対象物を浸蝕することは無く、人体にも無害

<塩化カルシウム>
・シリカゲルより吸湿速度が速い(吸湿力が高い)
・基本は使い捨て(高熱を加えれば水を除去することも可能だが、コスト的に割に合わない?)
・常温常圧では水分を戻すことはほとんどない
・吸湿すると発熱+液状化=潮解するため、取り扱いが難しい
・金属や皮革製品を侵す。有毒
・見た目に変化が現れるので、交換時期の判断が容易

ちなみに私が使用している株式会社白元の乾燥剤「ドライ&ドライUPふとん用」は、塩化カルシウム系です。

塩化カルシウムはその潮解性により、乾燥剤として取り扱うには難がありますが、各メーカーは、液体を吸収する保持剤を併用するなど工夫して商品化しているようです。

また、塩化カルシウムには金属や皮革製品に付着すると腐食させる作用があるので、使用の際はレンズ等に直接接しないようにする必要があります。
片面がビニールのフィルムになっているタイプの製品は、フィルム面をレンズ等に向けて置くようにしてください。


「ドライ&ドライUPふとん用」は、粒状の吸湿剤が解けてゼリー状になったら交換時期です。
ちなみに夏場は最短2週間ちょっとで全体が完全にゼリー状化したこともありました。

一方冬は…11月上旬から交換していませんが、写真のようにまだ使えそうな状態です(-_- )



更に調べを進めると、やはりこの気候条件が少なからず影響しているらしいことが判りました。

特に温度と湿度。

これらがどのように影響するかを説明するには、まず湿度の定義を理解する必要があります。


俗に言う「湿度」とは、一般的には「相対湿度」のことを指し、

[相対湿度]=[その気温における水蒸気圧の分圧]÷[飽和水蒸気

です。

うーん、この式だけを見ても良く分かりませんね(^^;)


上記式は近似的に、

[相対湿度]=[その気温における空気中の水蒸気の]÷[飽和水蒸気

で表すことができるそうです。

ここで登場する飽和水蒸気量とは、『空気の湿り度の限界値』のようなもの、と言って差し支えないでしょう。

湿度100%とは、空気中の水蒸気の量が限界値=飽和水蒸気量に達しており、加湿器等を使用してもこれ以上増やすことができない、まさに「飽和」した状態です。

空気中の水蒸気の量が飽和水蒸気量に等しくなると、相対湿度=1=100%となるわけです。

湿度は100%以上にはならず、余剰分は液体の水として物の表面に付着=結露するのです。



ここでもう一度、湿度の式を見てみましょう。

[相対湿度]=[その気温における空気中の水蒸気の量]÷[飽和水蒸気量]

より、空気中の水蒸気の量が増えると湿度が上がるのはもちろんですが、分母にある[飽和水蒸気量]の値が小さくなることでも[湿度]が大きくなることが分かります。

この飽和水蒸気量は、空気の温度により上下します。
基本的に、気温が低くなればなるほど限界値は下がります
(=気温が上がるほど限界値も上がる)

これが大事です。

つまり、空気中の水蒸気量は同じであっても、夏場のように気温が高い時は「湿り限界値」である飽和水蒸気量の値が大きいので、相対的に湿度は低くなり、逆に冬場のように気温が低いと相対湿度は高くなるということです。

このように、絶対的な水分量ではなく、見かけ上の湿り度で数値化するから「相対」湿度なんですね。
ちなみに、絶対的な水分量のことを絶対湿度といいます。



それでは実際の数値を見てみましょう。

飽和水蒸気量の温度による違いは、
・気温25℃では ⇒ 23.0g/m3
・気温10℃では ⇒ 9.39 g/m3
となっており、

同じ相対湿度(50%)であっても、絶対湿度(=水分量)は
・気温25℃では ⇒ 11.5g/m3
・気温10℃では ⇒ 4.7 g/m3
と、約2.5倍にもなることが分かります。

同じ湿度50%でも、冬場の空気中に含まれる水分量は、夏場よりも随分少ないということですね。


この事実より導き出される推論は、「乾燥材の吸湿力は、相対湿度だけでなく、空気中の絶対的な水分量=絶対湿度にも影響を受けているのではないか」ということです。

乾燥剤の周囲にある水分が極端に少ないと、たとえ見かけ上の湿度は高くても、水分の移動(吸収)が十分に行われない…ような気がするのですが(^^;)いかがでしょう。


そう考えて、色々と調べてみましたが、確かな証拠は得られませんでした。

ただ、ある乾燥剤メーカーのHPに「乾燥剤の…平衡吸湿量は絶対湿度にほぼ比例すると考えられる」との一文を見つけたので、この推測はある程度当を得ているのではないかと思っています。
(※シリカゲルについては、吸着率は絶対湿度にはそれほど影響を受けない、との情報もありましたが…シリカゲルは物理的吸着で、塩化カルシウムは化学的吸着という違いがあります。化学変化は温度の影響を受けやすいので、上記推論とは矛盾しないと考えます。)

冬場は気温が低く、飽和水蒸気量が小さいため、見かけ上の相対湿度は高く見えるが、空気中の絶対的な水分量は少ないので、吸湿剤の吸収能力が十分に発揮されず、このような事態が起きたのだと思います。


そしてもうひとつ重要なことは、結露は絶対湿度ではなく、相対湿度によって引き起こされるという事実です。

空気中の水分量が少なくとも(=絶対湿度が低くとも)、気温が低く、飽和水蒸気量が極めて小さければ(=相対湿度が高ければ)結露は起こり得るのです。
また、飽和水蒸気量の値が小さいということは、少しの水分量の上下で(相対)湿度が大きく変動するということです。

ですから、冬場であってもカビへの配慮は必要で、機材は防湿庫で保管すべきであり、また防カビ剤も入れた方が良いという結論に至りました。



<あとがき>

乾燥材はとりあえず新品と交換しました。
その結果…

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相変わらず寒い部屋ながら、今度はちゃんと吸湿してくれています。


ところで前出のHPには、「通常において錆、カビは湿度が55%RH以下では発生しません。また結露も発生しません。」とも書かれていました。

ソースの信頼性は「?」ですが、もしかするとそれほど神経質になることではないのかもしれませんね。

それでも高価なレンズを使っている方は万が一のことも考え、用心して過ぎることはないと思います。


 
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[2011/02/05 00:17] | その他撮影用品 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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